2023年4月1日現在の広島電鉄在籍車両のうち、市内線専用の電車は14形式71両である。
最新鋭の車両は市内線においても超低床車である。2013年から運用されている1000形がそれで、2020年にかけて増備が重ねられて現在18編成在籍する。全長18.6mは市内線専用車では最長。3車体の連接車ではあるが、同形式は1編成を1両として扱う。
超低床車以前の世代では800形と700形の2形式のボギー車がある。1982〜97年に計25両製造された。両形式とも13級の大型ボギー車で、外観デザインは類似するが、製造年次で制御方式・駆動方式など性能面に差がある。
旧型ボギー車のうち新造車は、かつては戦後製が4形式、戦前製が2形式存在したが、現在ではどちらも1形式しか残っていない。これが350形と650形であり、ともに全長12m級の中型車である。350形は3両中1両、650形は5両中3両残る。なお直接制御・吊掛け駆動車が大勢を占める旧型車にあって350形のみ間接制御を採用している。
旧型ボギー車で多数を占めるのは自社新造車ではなく他事業者から購入した転入車である。1965年から81年にわたって転入した7形式のうち、旧京都市電の1900形、旧西鉄の600形、旧神戸市電の1150形・570形、旧大阪市電の900形・750形の6形式計21両が残る。
上記以外には、イベント用の四輪単車が3形式3両在籍する。ドイツ製の200形、開業時の電車を再現した100形、1925年製の電車を1987年に復籍させた150形、の3形式である。3両ともほとんど運行機会がない。また車両数に含まれない非営業車として花電車用の貨50形1両もある。
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